Diary/2005-08-29
ローゼンメイデン5巻について
漫画家にとって最大の試練は連載であろうと思う。
絶え間なく迫る締め切り、編集の意向による圧力、あるいは延々と同じ漫画を描き続けることそのもの……つまずくきっかけは無数にある。その結果、多くの漫画が構想を崩壊させ、勢いをなくし、いつしか「この漫画もつまらなくなったね」と言われるようになるのだ。
連載しているうちにより面白くなっていく漫画もときにはある。多くは作者が未熟な場合であると思う。描き手の漫画家としての成長が作品に反映されるパターンだ。描いているうちに絵がうまくなっていく作家は多い。しかし画力の向上は多くの場合画風の変化を伴う。構想の拡大は初期構想の破棄を意味する。つまり、変わることなくステップアップしてゆく漫画は極めて少ないと言わざるをえない。
『ローゼンメイデン』はその数少ない作品のひとつである。舞台がほぼ桜田家を出ないことに注目しよう。あろうことかこれはある意味『NHKへようこそ!』以上のひきこもり漫画なのである。薔薇乙女の数も最初から7と決まっているので、無節操なテコ入れも不可能だ。実際、ローゼンメイデンは1巻から最新5巻まで基本的に変化していないように見える。
その上で、PEACH-PITは今まで、1巻ごとに着実に前巻を超えてきた。無闇に作品の器を広げることなく、既存のキャラクター同士の絡みで物語を展開させてきた。そして今また新たな境地を開拓しているのである。ローゼンメイデンはどこまで階段を上り続けることができるのか、この「成長」が果たして意図してなされたものなのか、我々には知りようがない。俺は常々この作品を「現在連載中の漫画の中では2番目に面白い(1番は『おおきく振りかぶって』)」と言って紹介しているのだが、1番の期待株はといえばこれと答えるだろう。アニメ第二期も含め、何かと楽しみな作品である。