バトルロワイアル ミーツ ひぐらしのなく頃に
で概ね説明終了、なような。
面白かったことを認めるのにやぶさかではないし、渚かわいいよ渚なのだが、どうにも全体の方向性に首を捻る。せっかく「相手がどういう人間か知らない」「相手が何のカードを持っているのか分からない」という状況を作り出したのに、わざわざ「日常描写」によってキャラクターを構築する必要があったんだろうか? これでは解除条件の違いという要素を導入した意味がないし、ライターの力不足からそういう方向性を選択せざるを得なかったと勘繰られても仕方ない。
この際「日常描写」とは、必ずしも食事シーンとかだけを意味しない。例え期間がわずかに72時間だろうが、状況が異常だろうが、誤解も衝突もなく行動を共にしているならそれはもはや「日常」と呼ばれ得よう。
エロゲーにおける萌えとはヒロインの個性の転換である、とかはReport/萌え論:「漫画とギャルゲーにおける萌え技術の違い」でも書いた。が、JOKERトラップはえらい序盤に使ってしまった一回のみ、渚のそれはカードシステムと関係なく(ゲームシステムとは関係なくもないが)、使いようによってはいくらでも「個性の転換」を起こしうるカードシステムがまったく活かされていない。しかも1周目の時点でヒロインほぼ全員の手札が明らかになってしまった。
このへん、雛見沢連続殺人事件システムが結局意味を成さなかったひぐらしに近いものを感じる。
そもそもヒロインの選択によるシナリオ分岐がないところからしてエロゲーを作るつもりがなかったのかもしれないし、だとすればこれは言いがかりもいいところなんだが、いいアイディアだったのにもったいないと思うのはどうしようもない。
2周目やるか……。
第一の爆弾ッ!
わかってても言いたかった。最近読み返したもんで。
それはともかく。
ゲームキャラクターというものに対する極めて興味深い実験だと思う。
古来RPGのヒロインが回復役であることからも分かるように、ゲームキャラクターの「キャラクター性」はゲーム上のパラメータに影響を受ける。より正確に言うならば、パラメータによって左右されるプレイスタイルの影響を受ける。回復魔法の使い手は仲間を気遣う優しい性格の持ち主のようになる。
しかし、キャラクター固有のパラメータが「勝利条件」であるというその一点が最高にキレてる。
『キラークイーン』内で行われている「ゲーム」を仮に「Killer Queen」と呼ぶことにする。「Killer Queen」が面白いのは各プレイヤーの勝利条件が異なる点で、プレイヤー自身の人格と共に与えられた勝利条件がプレイスタイルを左右することになる。例えば、《9》を引いたプレイヤーの勝利条件は自分以外のプレイヤーの全滅であり、その点においては間違いなく最も危険なプレイヤーといえる。そしてここで、このプレイヤーの勝利条件を「キャラクター性」の中に含めるべきだろうか?
先述の回復ヒロインの話もそうだが、間違いなく『キラークイーン』の元ネタの一つであろう『バトルロワイアル』でも、「初期装備」が「プレイヤー」のプレイスタイルに与える影響は無視できなかった。というよりは、想定されるプレイスタイルに合わせて初期装備が決められたのだろうけど。
で、ゲーム上の固有ステータスが能力ではなく勝利条件であり、ノベル式エロゲーの形で語られる「Killer Queen」とはどういうゲームなのだろうか。主人公=真のプレイヤーの立場から考えてみる。
まず、キャラクター性の一部が隠蔽されており、さらに隠蔽されているということ自体は明らかになっている。そして、メディア的特徴によって隠蔽された情報を明らかにすることに対しては強いモチベーションがある。しかも、勝利条件は隠蔽されているのみならず、偽装することができる。(他人のPDAを入手する方法は色々考えられる。)
要するに、各々の「キャラクター性」を複雑に揺らがせ、かつ隠蔽された「キャラクター性」を明らかにすることに複数の見地からの動機付けがなされている。「Killer Queen」が有利になるし、エロゲーなので女の子のことは知りたいわけだ。しかし勝利条件を知りたい、かつ知られたくないのはみんな同じであり、いやもうほんと面白い。
以下は体験版をやってない段階での意見。
主人公の性格を固定してしまったのはもったいない。一つの勝利条件に対しても色んなプレイングをしてみたいというか、ぶっちゃけ陵辱ルート欲しい。化かしあいがしたい。複数のプレイヤーが共謀することで使えるテクニックも思い付くが、この主人公だとそういうズル技に参加できなそうだ。PDAのランダム割り振りシステムがあったら最高だけどさすがにライター死ぬるので無茶は言わない。
メモ。
http://catfist.s115.xrea.com/rnh/index.php?1157550815.txt
スタブ。
- どれみ出身の細田監督が時かけを撮る意味。
- 「東映系」と「ぴえろ系」。折衷。
- 「あらゆる不可能を可能にする」魔法と(厳しいペナルティ)、「今の自分には不可能なことを可能にする」魔法(コスプレ→変身ヒロイン→パクティオー)。
- 未来へ先んじる時間跳躍者。→走って行く。→歩いても行ける場合もある。
- それによって成立する恋愛。→恋の魔法。
- 未来にいる惚れた男。
- 未来と自己への信頼。
- 歴史改変・ハーレム、選択のフリーハンド。→ツガノガク版。
- 置き去りにされる非魔法使い。
以上、関連作品:『時をかける少女(原作・漫画・映画)』『魔法先生ネギま!』『サマー/タイム/トラベラー』『Fate/stay night』他魔法少女アニメいろいろ。
どう考えても一本にまとまらないので、2つくらいずつ組み合わせて論じていこうかとも思った。