先日から繰り広げております思考実験の、大本のもひとつ元記事について。
僕がこの記事を見て真っ先に思ったのは、TCG(トレーディングカードゲーム)と似ているな、ということでした。これ以上金取るんじゃねえバカヤローという短絡的な意見を別にすれば、懸念されているのは金をかけたほうが有利、金をかけなければまともにプレイできないという状態が発生し、若年層を中心にカネ使いすぎな人が出てくることでしょう。これは、TCGの現場で古くから指摘されている――古くから指摘されすぎていて、もはやそういうもんだと思われている――問題です。であれば、同様の緩衝策(というか、貧乏人の知恵というか)が使えるはずです。
1.ヘビーユーザー層とライトユーザー層の隔離
(TCGで行われていること:大会のクラス分け。プレイヤーの自主的な棲み分け。超ヘビープレイヤーを賞金とかで滅茶苦茶濃ゆい大会に吊る)
要するに、危険度もお宝も超絶なダンジョンかなんか作って、コアプレイヤーはそこに押し込めちまえと。そこに、「名誉」とかそんなんを付与するといいかもしれない。今週のA級ダンジョンクリアプレイヤーはこの方ですーみたいな。ヘビーユーザーを釣ると同時に、ライトユーザーに対しては「勝手にやってろい」てな気分を出させられる。ビギナーはポリンでも叩いてればよろしい。
で、このとき必然的に必要なのが、
2.ライトユーザー用のアトラクションを成立させる
(TCGで行われていること:大会のクラス分け。弱いけど面白いデッキを組める余地を作る。安いカードだけでもまとまったデッキが組めるようにする。プレイヤーの自主的な棲み分け。)
まあ、ヌルいダンジョンも作っとけって話ではあるんですが、それに限らず、コミュニケーションツール的に豪華なチャットエンジンにしちゃうような文化を育ててみるとかね。あとは、ミニゲーム設置してみるとか?
なとこですかね。こんな感じの対策をそれなりにやっておけば、根本的解決には至らないにしても、なんとかかんとか回していけそうな気がします。
■『マルドゥック・スクランブル the first compression 圧縮』 冲方丁
■『鋼の錬金術師 7』 荒川弘
ハガレン最新刊は相変わらずの安心設計。大総統が素敵です。オヤジ好きだもんなあ荒川氏。
マス(略しすぎ。そしてなんかやらしい)は鋼屋ジン氏の影響が丸見えカナーと自分では思ってるんですが、どうでしょう?まだ途中までしか読んでませんが、バロットが最高にかわいいのでおよそ良作判定は確実かと。「黒い、細い、病的」ってなんですか。狙われてますか、僕。石津萌マイブームを引きずってるときによりによって。しかも締め付けられるのが好きとかガン・カタとか。やばいっす。
あと、ネズミ君が渋すぎ。Forestのリーピチープ氏思い出しました。
つまり、純然たるRPGシステムの上で考えるなら、MMORPGの面白さというのは、「「自分」のための経験値稼ぎ」という一点に集約されるものと思われます。これがために、MMORPGにおける戦闘は限りなく快楽原則に沿うものになっているのではないでしょうか。そして、それをオフラインのRPGに導入するにはどのようなアプローチが考えられるでしょうか。
パーティーが複数人で構成されることを前提とすると、メンバーを恣意的に成長させられることは必須であるように思われます。なんらかの手段によって、メンバーの成長傾向、及び相対的成長度合いをコントロールするのです。わかりやすいのは、経験値を完全に自由に分配できるようにすることでしょうか。この際、同時にポイント振り分け式等の自由度の高い成長システムも実装すべきです。あるいは、FF・DQ式の経験値システムの上でも、装備品や習得スキルのランクアップ傾向に差をつけられるようにすれば、同様の効果を得られるかもしれません。(例えば、入手できるお金が非常に限られていて、誰に優先的に装備を買い与えるかで有意な戦力差が発生するようにするとか。)
別の考え方として、文字通りのソロ狩りを導入するのも手かもしれません。この際考えられるのは、まず主人公ソロパーティーを基本とし、そこに場合によりゲストが参加するようなパターン。(イメージは『かえるの絵本』。)あとは、メンバーを自由に組み替えてパーティーを組めるパターンが考えられます。後者の場合(一人でMMORPGにおける「ギルド」や「同盟」を運営するようなものですね)、ソロ狩りにパーティー狩りに対する優位を与えなければなりません。一人でないと入れない場所を作るなどがわかりやすいでしょう。あるいは、連れ立っていくと効率が悪い場所を作るのもいいかもしれません。敵が魔法攻撃しかしてこないので、耐性がないキャラを守りきれないとか。この場合、物語が誰の視点で進行するか選べるといいかもしれません。逆に、メンバーの個性(人格性)を薄めて、完全に駒を育てる感覚にしてしまうのもアリか。(イメージは、ジャンル違いだけど『FINAL FANTASY TACTICS』か、『ポケットモンスター』。あ、ポケモンかあ。そう考えるとよくできてるなあ、ポケモン。)ただ、システム的に、キャラクターを無限に生成するのって難しそうですね。レベルをリセットできるようにすれば同様の効果は得られるでしょうか。
むむむ。しかし、考えれば考えるほどよくできておるな、ポケモン。次回はちょっと予定を変更して、ポケモンのキャラクター戦闘&成長システムの優秀さと、それがいかに戦闘を面白くしているかということを考察してみようかな?(まだやるつもりだよ、おい。誰か止めろ)
ここのところ、けっこう『ロマンシング サ・ガ 3』をやっていたんですよ。これまた、なかなかうまく戦闘を楽しめる工夫が施された作品で、久々にやってずいぶん満喫したんですが、実は一つだけこうだったらいいのになあーと思うことがあったんですよ。
ロマサガ3のランダムエンカウントで出てくる敵の種類の決まり方というのはかなり独特です。敵キャラクターには「種族」があり、フィールド上を動き回っている種族シンボルと接触すると、その種族を中心としたパーティーとの戦闘が発生します。そして、その種族相手の戦闘に勝利した回数が多いほど強力な敵が出現するシステムになっているんです。つまり、戦闘を重ねると、弱い敵と戦えなくなってしまうんですね。これがちょっといやだった。なぜなら、使っていなかったキャラクターでパーティーを組んで、一から育て直すことが、非常に困難になってしまっているからです。(もっとも、これはウリであるシナリオの自由度と容量の兼ね合いで、致し方ないことではあるんですが。)
そこまで思い出して、「はっ、これってつまり、育成を失敗したときの保険がないってことじゃん」ということに思い当たったと、こういう次第だったのです。
んで「あ、それが不満ってことは逆に言えばそれは必要ってことで、MMORPGもポケモンもキャラの取り替えが利くことで対応してるのに、それ今までの記事で一切触れてねえよ。やっべー。まあいいやそれはそれでまとめてあげちゃえ」というわけで現在に至るのです。
ちなみに、レベルアップ(またはそれに準ずるもの)による成長が、バイアスのかけようがないものだった場合は考える必要はありませんね。(なるほど、後述するけどWizも相当優れているな、こりゃ。)
前回は、楽しい経験値稼ぎを実現するための、戦闘及び成長システムの面からのアプローチに関して考察しました。今回はそれ以外の面からのアプローチを考えていきたいと思います。
まず必要なのは、プレイヤーを急かすことのないストーリーです。ストーリーの先が気になることを牽引力にすると、戦闘がルーチンワーク化して苦痛になりがちですからね。また、大まかなストーリーはあるにしても、極力文章で表現するのは避けましょう。デモ進行も少なければ少ないほどいいです。ストーリーや設定は、プレイヤーになんらかの形でキャラクターへの愛着を抱かせるものであるべきです。それが、着実に経験値が溜まってゆく快感を生み出します。さらに、ストーリーの終点とは別の、目指すべきなにかがあればなおいいでしょう。クリアした瞬間に意欲が萎えるようではいけません。征服すべきダンジョンもまた、基本的には多いほうがいいでしょう。アイテム収集要素も経験値稼ぎのよき友となるはずです。
……ってあれ?これ、ウィザードリィじゃね?なんだなんだ、すごいじゃないか、ウィザードリィ。(つづきますとも)
■『マルドゥック・スクランブル The Second ―燃焼』
■『マルドゥック・スクランブル The Third Exhaust―排気』
■『デルタリング<1> 生徒会長、乱れます♥』
もうなにも言うな。
なんか思いついたので、作るかも。
■案1:育成/ダンジョン探索型
光の 中で 目を 覚ました
天井/壁/寝台/扉
男性。
「やあ。気分はどうかな?」
彼女がまた 目を覚ました。
「……問題、ありません。」
そして、また戦いが始まる。
「よかった。じゃあ、名前は思い出せるかい?」
「……アリス。」
そう、それが彼女の名だった。
「そうだ。では、君の使命は?思い出せるかい?」
「…私を完成させること。そのために必要なものを集めること。」
そうだ。それこそが僕らの戦い。
「その通りだ。もう立って歩けるはずだね?さっそく準備にかかろう。まずは体を慣らすことからだ。」
「…わかりました。」
一刻も早く。取り戻す。
行こう。
■なんか影響受けたor無意識に似たっぽいもの
ラグナロクオンライン/ポケットモンスター/不思議なダンジョンシリーズ/俺の屍を超えてゆけ/ヴァルキリープロファイル/CROSS†CHANNEL