5/1(Sat):あと、服とかいっぱい描けるのも必要か。(23:03)

 カルドセプトって実は相当凄いと思うんですよ。

 カードゲームを漫画なり、小説なりアニメなりの非ゲームメディアで表現するとき、重くのしかかってくる問題があります。それは、かなり多くの場合で、それらのゲームの内容が実際に対戦しているプレイヤーの代理戦争であることです。要するに、ストーリー的にはプレイヤー同士を戦わせたいのに、描写してみるとコマが戦っているようにしか見えない、ということ。例えばかの有名な『遊☆戯☆王』は、原型であるMagic the Gatheringのゲーム内容が基本的にプレイヤーが召還したモンスター同士の戦いである、という致命的問題を、ゲームの基本ルールをモンスター同士の決闘にしてしまうという大胆な手法で解決しました。他のいくつかのMtGを原型とするコミックでは、『ヒカルの碁』のように、とりあえずゲームやってる姿をひたすら描写する手法に帰結しました。(コロコロでやってるアレは最近遊戯王っぽいという噂は聞きますが。ついでに、チャンピオンのアレもまあ遊戯王型といっていいでしょう。)そして、これらはいずれも現実が舞台であり、「ゲームの世界観の中でゲームシステムに基づく決闘を行う」作品は僕の知る限り存在しません。(ネット上ではいくつか見たことがあります。)そう、唯一この『カルドセプト』を除いては。
 僕が心底感服したのは、ゲームシステムから見ても漫画として見てもさほど不自然でない決闘をあっさりと描写してみせていることです。この発想というか、構成力というか、ともかく実に素晴らしい。あと、絵ぇ滅茶苦茶うまいし。あまりにゲームちっくな世界観は、いかにもメディアミックス的な商売根性が見えてあまりいい気はしませんが。

 いやね、僕がなんでこんなに感動してるかって、MtGの、TRPGリプレイ的な小説化(ああ、こう言えばよかったのかも)を随分前から企んではうまい形が思いつかずに諦めていたからなんですよ。それをこうも見事にやられてしまって、もう悔しいやら嬉しいやら。さすがに純粋な内容は随分割を食って薄くなってしまっているんですが、いろんな意味で一見の価値ある作品だと思います。

5/3(Mon):『おおきく振りかぶって』超面白いです。栖哩氏超サンクス。(23:15)

 G.W.を利用して家族が遊びに来まして、昨日は一緒に宿に泊まっておりました。これがまた、本当なら部屋が足りなくて、僕と弟一人は僕の部屋で寝る予定だったんですが……まあ、おかげで更新はできなかったけど久々の一家団欒が楽しめましたよ。

 で、それまでなにをやってたかと言いますと、八木山動物公園ベニーランドで遊んでおりました。
 いやこれが、なかなか馬鹿にしたものでなく。動物園なんぞ、小学生時分に行ったときにはどいつもこいつも寝てばかりでえらく落胆した覚えがありますが、今見てみると寝こけてる猛獣というのもオツなもので。鷲が羽ばたくのを見ておっさんたちと一緒におおおーと感動したりもしてました。
 あと、ジェットコースターなるもの、記憶にある限りでは初体験。
 こええ。

5/4(Tue)(25:50)

 ちと遅くなりましたが、アニメへのコンプレックス(5/2)って話。

 いやね、これって、クロスネットに限らず、エロゲー業界の人たちが陥りがちな、非常に深刻な問題じゃないかと思うんですよ。どうしてみんなそうアニメを入れたがる?

 別にね。エロゲーならエロゲーらしくしやがれーとか言うつもりはないんですよ。外のセンスを導入すること自体は悪いことじゃないと思うんです。例えば、件のクロスネットのMapleColorsなんて、非常にアニメ的なセンスで作られた作品ですが、それはそれで成功してますし。それ自体は別にいいんです。

 ただ、無節操にアニメを(それに限りませんが)崇拝して、自分らの作ってるAVGというものを卑下するようなことはやめて欲しいんですよ。自分の得物を信じられないのはクリエイターとしての資質に欠けます。『コールドマウンテン』の監督のアンソニー・ミンゲラが「自分は最後にはペンの力を信じているから必ず脚本も自分で書くんだ」というようなことを言ってましたが、それはまさしく脚本家としては正しい態度だと思います。最後に立ち絵と背景とテキストの力を信じられない人がAVGを作るのは、その人にとっても受け手にとっても不幸です。

 アニメーションは、AVGと比べて必ずしも優れた表現方式ではありません。AVGにはAVGのよさがあります。AVGはゲームです。操作できることが生命線です。
 動画は、操作の余地を大幅に削ります。「間」を強制的に規定します。「映画ゲーム」である、近年のFFシリーズが一面においては失敗しているように、「アニメゲーム」も同様の構造的欠陥を孕んでいます。僕がアニメ系エロゲーにちーとも惹かれないのもまさにそこが原因なんですが、その危険性を考慮しつつ製作に臨んでいるクリエイターがどれだけいるでしょうか。エロとアニメの親和性が高いこともあるでしょう。本物のアニメ作品は作る体力はなくても、スクリプトで誤魔化せるアニメゲームなら作れる、ということもあるかもしれません。しかし、これはアニメゲームでやらなきゃいけないんだ!って一席ぶてるクリエイターが、今どれだけいますか?AVGのよさを理解しないクリエイターが作った作品は、だいたいどこかに歪みが出ます。『斬魔大聖デモンベイン』ですらそうでした。この根深い病は、エロゲー業界全体を覆ってしまっているように見えます。

 AVGにはAVGのよさがあります。より大きい仕事に憧れるのは仕事人として健全な思考でしょうが、他の仕事に憧れるあまり自分のグラウンドをないがしろにするのは健全とは言えません。エロゲー業界人よ、エロゲーに誇りを持ってくれ。僕はエロゲーを愛しているぞ。

5/5(Wed)(25:50)

(はひん……Upし忘れた……。5/6 08:03Up)

 G.W.最終日にしてようやくヒマができたので、『シンシア』と『こころナビ』両方コンプしました。

■『シンシア〜Sincerely to you〜』

 期待以上でもあり、期待外れでもあり。
 萌えに関しては想像を絶する破壊力でした。シアが死ぬほどかわいいのは分かりきってましたが、瀬尾があそこまでやるとは思ってませんでした。つか、まきいづみ(シア)と一色ヒカル(瀬尾)の演技がスゴすぎる。
 で、拍子抜けだったのがシナリオ。普通にいい話ではあったんですが、純粋に文章力がなすぎます。呆れるほど低レベルな誤字があったりして脱力。短いのはいいとしても、もう少しうまくまとめられなかったものか。

■『こころナビ』

 素晴らしい。うむ。なんつーか、大好きだコレ。
 これまた、正直言ってシナリオのレベルが高いとは言いがたいものがあるんですが、作品としてはそこそこうまくまとまってますね。とりあえず絵は神だし。
 あと夢ラブ。

 ナビのレビュー書きましたが、なんか気に入らないからそのうち書きなおすっぽい。

5/7(Fri)(23:26)

 なんかこころナビ感想へのリンク切れてるわレビューページに登録されてないわリンクページ不思議なことになってるわ。日頃どれだけUp後のチェックを怠ってるかということがバレバレですな。タレコミサンクスです。

■それはそうと、機神咆哮新ムービーですが。

 むー。なんといいますか、ものすごくカッコいいとは思うんですよ。歌も、映像も。だけどなー。これがデモンベインかっつーと、なにやら納得のいかんものが。

 PS2になって、容量にも処理能力にも、ついでに恐らく資金にも余裕ができて、PC版では不可能だった表現がバリバリ入ってるわけですよ。斬魔大聖やった人はわかると思いますけど、もうありえないくらい動いてるじゃないですか。クトゥグァの動画まであんのかよ!もーびっくりですよ。
 それ自体は歓迎すべきことです。明らかに映像的においしい描写が沢山ある作品ですから。まあぶっちゃけ、ダセえムービーが入って妄想の邪魔になる事態は絶対発生すると思います。しかしながら、それは単純に製作側の力不足であって、方向性としては間違ってはいない。

 でもね、それはあくまでも小道具なんです。小道具。役者はちゃんと別にいるの。本当に見せたいもの、見たいものは別にあるはずなんです。あったはずなんです。

怖いよ
だけど
何もしなかったらヤバイって分かっていて、
それでも何もしないで・・・・・
やっぱりその通りになってしまう方が怖い!
 これでしょ?デモンベインって、これでしょう?これを忘れたデモンベインだったら、存在して欲しくない。3Dムービーとアクションシーンの塊なんか。
 それとも、それはエロゲーとデモンベインの埋められない溝なのかなあ。デモンベインってそーゆの期待しちゃいけない作品だったのかなあ。そんなことないと思うけどなあ。

 最初のムービーはこちら。(公式からのリンクは切れてます)

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