Leafのビジュアルノベルシリーズ第２弾。第１弾『雫』、第３弾『ToHeart』とともに、ノベルゲーというジャンルを確立するとともにLeafの名を全国に轟かせた記念碑的作品です。脚本は前記２作同様高橋龍也氏。
主人公柏木耕一は大学生。母はすでに亡く、父は耕一のいとこに当たる４人姉妹と同居しており、別居中。ある日、耕一の元に父の訃報が届く。季節は夏。耕一はいとこ達の住む、想い出深い土地を訪ねる。
静かな環境と、久しく感じることのなかった家族の温もりに癒されてゆく耕一。しかし、その幸せな日々は突然の失踪事件によって終わりを告げる。
謎の『悪夢』に苦しめられる耕一。そして４人のいとこ達もそれぞれが傷を抱えていた。彼らの過去を巻き込みつつ、現実は動き続ける。
記憶の空白。知っているはずのないもの、それでも忘れてしまっているもの。何を忘れている？彼女達は知っている。
逃れられない運命。遥かな古代より続く宿命。柏木の血に秘められた秘密と、雨月山の伝説に隠された謎。今も残る“痕”。
次々降りかかる出来事に翻弄される耕一が、物語の最後に出す結論とは。
システムはいわゆる紙芝居です。最初はどうやってもバッドエンドに辿り着いてしまうのですが、バッドエンドを見るごとに選択肢が増え、徐々に事件の真相に迫れるようになっていきます。
ヒロインは４人。４姉妹です。長女の千鶴は、どこか頼りなげながら、誰より妹達や耕一を気にかけている、ほんわかお姉さんタイプ。(でも実は･･･。)対照的に、次女の梓は男勝りな性格で耕一とは喧嘩友達のような関係。しかし、料理上手だったり照れ屋だったり、可愛らしい面も。三女の楓は、日本人形のような静的美少女。何か理由があるのか、耕一を避けようとします。末っ子の初音は心根の優しい、一言で表すなら“いい娘”です。
数多くのバッドエンドを抜けると、ようやくヒロイン別のルートに入れるようになりますが、これらのシナリオは大きく千鶴･梓ルートと楓･初音ルートの２つに分かれます。
千鶴･梓ルートの場合、柏木の血にまつわる因縁が中心となって物語が展開していきます。特に千鶴ルートの場合は、柏木の背負った業、耕一の父の死の真相などが明らかになり、読みやすい伝奇小説の味わいがあります。
楓･初音ルートの場合は、より大風呂敷です。今回の事件、代々柏木家が味わってきた苦しみ、雨月山の伝説･･･。その全ての始まりが何だったのかが語られます。まあ、正直広げ過ぎな感はないでもないですが･･。
こうした大きな流れに、あるいは耕一の影といえる柳川が、あるいは過去の負の遺物といえる亡霊たちが、敵役として絡んできます。しかし、柳川やその親友貴之などは魅力的なキャラクターであり、一概に悪人と言えないのがまた面白いところです。
そして、全編を通して描かれるのは理性と欲望の葛藤です。あるいは人間性と野獣性の闘いと言ってもいい。最後に希望を導くのは、人間の強い意思です。
さすがに古い作品だけあって、グラフィックのレベルは最近の作品に比べると見劣りします。一枚絵はまだマシなんですが、立絵は原画も塗りもひどい。これが味だという話もありますが、綺麗なCGを見慣れた人にはストレスかもしれません。背景はモノクロの写真取り込みです。これも慣れないとちょっと抵抗があるかもしれませんね。
システムに関しては、既読スキップはありますし、便利な「前の選択肢まで戻る」機能なんかも付いてるんですが、セーブ関係が弱いです。スロットが３つしかない上、フラグが別々に記録されるため、最速でコンプリートを目指そうとすると１つのデータでプレーしつづける必要があります。
アルバム機能もあるにはあるんですが、一覧表が出ないため実用性(笑)に乏しく、シーン回想機能などもないため、そーゆー目的で使用したい場合は少々使い勝手が悪いです(経験者は語る)。えっちシーン自体はかなりえろいけど。
まあ、お話を楽しむゲームなんだといってしまえばそれまでですが、そうすると今度はボリューム不足が気になります。そう少なくない量のテキストなんですが･･･。それだけ読ませるシナリオだということなんでしょうが、柳川ルート時、耕一視点では何が起こったのかさっぱり分からないとか、いろいろ未消化な部分があったように思うので(出版物とかで多少明らかにされてたりすんのかな？)、キッチリ描き切って欲しかったところではあります。この分量じゃサブヒロインもあんまりいる意味ないような気がするし･･･。
てゆーか千鶴さん萌え。
えー、最初の印象だと楓ちゃん●６歳･･･そう、某組織が幅を利かせ始める前だからこそ実現できた楓ちゃん●６歳に萌えてましたが、土下座して謝りたいです。むしろプレーし始めたばっかりの頃の自分を一発殴りたいです。あ〜〜〜もう
千鶴さん萌え。
千鶴トゥルーエンド見た時はディスプレイ叩き割ろうかと思いました。
千鶴ハッピーエンド見た時はじ〜〜〜〜〜〜んと来ました。
千鶴さんは最後に取っておこう！
2003/1/30 Moriyan
