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Diary/2005-7-21

[雑談]相手がどんなゲスだろうが正等に取り扱わなければ己もゲスになる

Yahoo!ニュース - 毎日新聞 - 高崎の小1女児殺害:人形に異常な執着 野木被告、放棄迫られ泣き出す /群馬

 高崎市北久保町の県営住宅で昨年3月、小学1年の女児(当時7歳)が殺害された事件で、強姦(ごうかん)致死、殺人罪に問われた隣人の会社員、野木巨之被告(28)に対する第5回公判被告人質問が15日、前橋地裁高崎支部(大島哲雄裁判長)であった。逮捕時に自宅から押収された「美少女フィギュア(人形)」について検察側に放棄を迫られた野木被告はこれまでの落胆したかのような態度をひょう変させ、「あの子たち(フィギュア)を処分することは、私の子供を殺すかのようなものだ」と激しい泣き声で訴えるなど、人形に対する異常な執着を見せた。

 この日先立って行われた弁護人からの質問に対し、野木被告はか細い声で「自分勝手でひどいことをしてしまった。被害者と遺"" ところが、続いて行われた検察側の質問で、検察官に「被告の作った『フィギュア』を被害者の遺族は取り上げたいと言っている。放棄しますか」と迫られると、「端から見れば汚い人形だが、自分を支えてくれた大切なもの」と言って泣き出し、「遺族の気持ちも分かるが、私が(被害者を殺害)してしまったように、相手から大切なものを奪ったら後悔するだろう。そんなことしてほしくない」などと頭を抱えて叫んだ。このやりとりを傍聴していた被害女児の母親は、野木被告の態度に憤った様子で、傍聴席から駆け足で退出した。

 最終的に人形の放棄を承諾した野木被告は「くそっ」と漏らしたままうつむきおえつした。閉廷直前、大島裁判長は「人が命を落とすことの重大性が分かりますか。その人はもう帰ってこないということです」と野木被告を諭した。【木下訓明】

7月16日朝刊

 そりゃあ俺だって年端もいかない子供を殺害しておいてフィギュアごときでピーピーわめくなとは思うよ。けどさ、法に定められた刑罰を超えて人を罰するのは私刑っていうわけだよ。公開リンチじゃん、これ。
 むろん、これが冤罪でないとして、被告に同情の余地はない。ないが、司法の場でリンチを認めるなんてことがあっていいわけないだろうが。裁判長は愚にもつかない道徳論を開陳する前にやることがあるだろう。反吐が出る。植草氏の手鏡没収もそうだけど、べつにこれらは凶器でもなんでもないじゃないか。
 被告に反省が見られないということはあるのかもしれない。禁固刑では有効な刑罰とならないという批判はありえるかもしれない。でもそういうのは立法府に言えよな。こんなのは司法の自己否定じゃないか。

 で、仮にロリペド変態のオタク野郎が幼女をぬっ殺した場合にはそのオタク野郎のオタク的財産を没収してよいというふうに刑法を改正することを考えてみようか、って書いてみたらすごく萎えたんだが、本気でそうなればいいと検察及び裁判官及び記者一同はお考えなのだろうか。だったらスーフリ的DQN野郎がおねーさんをぬっ殺した場合そのDQN野郎のDQN的財産を没収してよいというふうな法律があってもいいわけだよね。……あー書いてて恥ずかしくなってきた。つーかこういう「オタVS非オタ」的なポジショントークというかカテゴリ論というか、そういうことをしたくはないんだが向こうがその気なんだからしゃーねーべな。このフィギュア没収という仕打ちに、被告が唾棄すべきロリペド変態野郎であり存在自体が気持ち悪い社会の害虫であるということ以外にどんな根拠があるというんだ?
 俺は犯罪者の人権を守れとかいう主張には与しない。人に迷惑をかけた償いはあって然るべきだ。しかしそれはあくまで法の範囲内で行われなければならない。ってなんてつまらんことを書いてるんだ俺は。当たり前だろうがこんな話は。

 かように、この決定には人権的に非常に問題があると思うわけだが、同時にこれは被告の所有していたフィギュアが犯行の原因であると断じているに等しい。俺は萌えオタであり、美少女漫画・小説・アニメ・ゲームそしてフィギュアの全てをそれなりに愛好しているが、幸いにして今までは殺人を犯すこともなく生きてくることができたという解釈になるんだろうな。俺のような気持ち悪い人間が白眼視されることは人間の避けがたい愚かさの表れとして受け入れる覚悟はできているが、俺がそういう趣味を自由に楽しめなくなることには我慢がならない。そして世の中をそういう方向に動かそうという意思には非常な嫌悪を感じる。なによりそういう対処によってこのような凶悪犯罪を抑制できるとは全く思われないからだ。
 何せマトモな統計もありゃしないので自分の体験から語らざるを得ないのだが、俺は中学生の頃は何度か痴漢行為を働いたことがある。しょっぴかれることはなかったが。しかし高校に入って、本格的にこの道に入ってからはそうした行為を働いたことは一度もない。もっともこれは自分の精神的成熟や環境の変化(高校は男子校だった)によるものとも考えられるし、そもそも一例を挙げたところで特殊なケースと言われればそれまでだ。しかしこれらの反論はすべからくオタク抑圧論への対抗言論ともなっている。要するに何が悪いとか簡単に言えないでしょ。ピンボケした対応は問題解決の妨げにすらなりかねないだろう。

 それじゃあ今回のようなオタク犯罪者(確定すればね)に対してはどのような対策を取ればいいのかというと、何もないと思うんだけどね。そもそもオタクコンテンツが本当に犯罪の原因になっているのかを調べなければならないが、それにはまず薄弱な根拠に基いて一方的な決め付けを繰り返す某O氏やらM氏やらを初めとする連中を黙らせなければならない。最初から結論の決まっている議論に意味はない。それには、そうした薄っぺらな言説が持て囃される風潮を変えなければならない。ごめんもうやる気失せた。無理だよね。とすればもう、ふつうに一般的な犯罪抑止の観点でやるしかないじゃないか。ウチはそんなサイトじゃないのでそこには突っ込まないが。少なくとも、「フィギュア萌え族(仮)ですって、いやぁねぇー」なんて井戸端会議じみた態度が問題解決に対して真摯だなんて俺は決して認められないし、決して肯定できない。それは被害者に同情してるように見せかけて自分の心の平安を守りたいだけだよ。


 以上を踏まえて犯罪者予備軍であるところの我々オタクはどうすべきか。あーやだやだ、なんでそこに線引かなきゃならんかね。仕方ないのでそこに線引いて話を進めるが、いくつか論点はあると思う。

  • 感情的な反発をせず、冷静かつ論理的に反論する

 っていきなりできてない気がするが、まあウチは基本的に同族しか見てないと思うし……。当時にも言及したかもしれないが、石黒直樹氏が大谷明宏氏に公開質問状を送ったやり方などは、正直あまりうまいとは思わなかった。案の定その手の嗜好を持つ方たちから事務所あてに抗議の電話やメールが殺到。加えて配達証明つきの公開質問状まで送りつけられてきたとか、「ヤダヤダ気持ち悪い」で片付けられてしまったし。この対応はもちろん2chなどでは侮蔑と冷笑と憤慨を呼ぶに過ぎなかったが、そんなのは彼には痛くも痒くもなかったことだろう。こちらからわざわざ付け込む隙を見せて無用の騒ぎを広げる必要はないと考える。

  • 発言力を持つ

 上述の反省から演繹できることではあるが、論理的な正しさだけでは受け入れられない。要するに声のデカい方が勝つという至極単純な真理であると思う。個人的には余計なことをせずに引き篭もっていればいいじゃんと思わなくもないのだが、仮に積極的行動に打って出るとすれば正しさを訴えるよりは相対的にデカい声を持つほうが建設的だろう。松文館裁判も結局そういうことでしょう。馬の耳に念仏。勝つのは要するに社会的合意を得たほうだったということじゃないか。この時点でアングラであるオタには厳しい勝負とならざるを得ないのだか、幸いにしてだかなんだか、現在の一般的オタクイメージはかなりアングラから離れてはきていると思う。この機に冷静かつ論理的に論陣を張れるオタク論客がメディアに登場してくれるといいんだが……ま、救世主に期待しちゃいかんわなあ。選挙男とか、どうなんだろうねえ……。
 ちなみにもうひとつ問題があって、オタク業界には大企業が少ないために業界として影響力を持ちにくいというのがあると思う。一般に萌えビジネスは、巨大企業も生まないし、大きな資本を必要とすることもないと森永卓郎氏が語っている。俺はこの人の話はいつも眉に唾つけて聞いているが、これは一面の真理ではあると思う。ひとときのゲーム脳バッシングに対してゲーム業界がほとんど有効な反論を打ち出せなかったのを思い返しても、より小規模アングラ的なエロゲー・フィギュア等の業界が総体としてことに当たれるかというと非常に疑問。オタク文化圏の代表としての個人もいるに越したことはないのだが、業界の利益を代弁できる業界団体的な仕組みも必要だろう。ジュベネイル・ガイドなんぞ言語道断。

  • まともな社会生活を送る

 この口が言ったのか、この口が! いてぇいてぇ! これまた上から演繹できる話ではあるけど、これはある意味敗北主義的だよね。でも有効な戦術ではあると思うよ。ただ、このまともな社会生活ってのの中に普通の男女交際が含まれる可能性があるんだよね。普通のっていうのは『電波男』(読み中)で言うとこの恋愛資本主義のフォーマットに沿った、ということなんだが……かーっぺっぺっ!

 いじょ。疲れた。ああそうだ、俺は殺人犯と一緒くたにされたくないと思ってるけど、「いいオタク/悪いオタク」を峻別する方向に行くと、それはただ単に差別の対象が限定されるだけになりかねねーんで、そゆのは控える感じで。案外この陥穽に陥ってる人は多い気がすんだよな。

(追記)
 普通に読めば分かると思うけど、被害者遺族を批判する意図がないことは明記しておく。今回の処置を遺族が求めたことは理解できる。けどそれを司法が認めるかはまた別の話。

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きゃっと・ふぃすと