第一回「ねこねこソフトを語る」

もりやん:
皆さんこんにちは。世界の中心で鬱を叫ぶ男、新しい伊達メガネ卸してきてちょっといい気分のもりやんです。
今日は、素敵なゲストをお招き…?でいいのかな?しております。どぞ。
卿:
なんだかわざとらしい導入に妙な気分で笑いが出てます、卿です。どうぞヨロシク。
もりやん:
さて今日は、普段メッセでやってるねこねこソフトさんに関する偏りまくったトークを白日の下に晒してしまえという企画でございます。
まあそもそもは、僕がレビュー書けねえっつって卿さんに泣きついたのが発端なんですが。
卿:
メッセで消えるにはあまりにも惜しい発言が結構多いのでこういう企画になったんですよね。
もりやん:
そうそう。ちゃんとしたレビューでは出てこない台詞がズバズバと。せっかくだからそのまんま使ってしまえというわけですね。
卿:
まあ、オレもサイトの感想のスタイルだと書ききれない部分とかもありますしね。いい企画だ(笑)
もりやん:
そんなわけで、もうこんな機会はないでしょうから、今日はもう徹底的に語り尽くしましょう。
卿:
語り尽くすほどの抽斗があるかどうかわかりませんが、教育番組のおねえさんと話す人形的スタンスで参加させていただきます(笑)
もりやん:
あれか、にゃんちゅうか(笑)*1
卿:
なんか気持ち悪い動きをする頭の悪いキャラって感じでヨロヨロ。
もりやん:
了解です(笑)。

<始まりはみずいろ>

もりやん:
さて、それじゃあ卿さんとねこねこソフト作品の出会い話なんぞからお聞きしましょうか。
卿:
オレは、ご存知の方はご存知の通り果てしなくエロ重視なわけですが、ふと流れ着いた某サイト様で「空気吸ってるやつぁやっとけ!」と主張されていて気になったのが最初ですね。
もりやん:
『みずいろ』ですね。それは(笑)
卿:
ええ、やたらねこねこソフトを推してまして(笑)
もりやん:
僕はですねえ、実は初めてやったエロゲーが『大悪司』*2なんですけど。
卿:
えー。なんか意外。
もりやん:
それは友人に借りたんですが、まあ堪能しまして。今度は自分で買ってみようと。
そうして買った『君が望む永遠』で完璧に落ちちゃいましてね。今度はネットで情報収集して買ってみたんですよ。それが『Kanon』と『みずいろ』だったと。
卿:
なるほど、つまりそれは『Kanon』と同じくらいかどうかは知りませんがともかく話題作の一つとして『みずいろ』を知ったわけですね。
もりやん:
そうですね。特に一部で(笑)
卿:
一部かよ(笑)
もりやん:
まあ、当時はDC版の発売を控えてて露出も多かったし、絵もかわいかったですしね。
卿:
ということは、お互い出遅れ組に入るわけですね。
もりやん:
ですね。もう思いっきり出遅れ(笑)。『Kanon』も『月姫』もぜーんぶ出遅れ。
卿:
『Kanon』は未だにやってない人がここに。
もりやん:
僕は『ONE』やってないし、つか『朱』終わってないし、どっちもどっちじゃないですかね(笑)
卿:
しかし『Kanon』はこの対談にも結構重要なポジションになるっぽいのに*3(と軽くネタバレティック
もりやん:
実はね。そもそも僕の主張の基礎が『Kanon』と『みずいろ』に強く惹かれながらも何か足りないものを感じたところにありますから。
卿:
おっと、この時点で既にねこねこ対談でありながら『みずいろ』批判の萌芽が(笑)
もりやん:
ねこねこは好きでも『みずいろ』は嫌いな奴(笑)。
いやいやいや、ある面では非常に評価してるんですよ?
卿:
嫌いって言っちゃったよヲイ(笑)。ちなみにオレは『みずいろ』派なのでバランス取れてる(?)かな。 で、評価する面とは?
もりやん:
できる限り端的に言えば、「何も起きない“普通”の日常に価値を見出してる」ところですかね。そこは、『Kanon』と比べて非常に好ましいと僕は思う。
卿:
なんだかいきなりこの対談の核心に辿り着いちゃってる気がしてきましたよ!
もりやん:
んや?そうでもないよ?
卿:
あれ?
もりやん:
まあまあまあ。ともかく、『みずいろ』のそういう哲学というか、思想は、僕は大変素晴らしいと思ってます。
卿:
そうですね、オレもその点において『みずいろ』を高く評価してます。
もりやん:
まあ他にも、過去編と現代編ブッちぎっちゃったこととか、おまけえちぃなんてものをデッチ上げちゃったこととか、色々あるんですけど、結局考え方なんですよ。僕が『みずいろ』を評価してるのはね。
卿:
考え方、ですか。
もりやん:
考え方ですね。実際できたものではなく。
卿:
なんだか作品自体はアレだってな言い方に聞こえますが?(笑)
もりやん:
暗にそう言ってる(笑)。前者は物語、後者は作品の構成に関しての考え方ですが、これはもう手放しで褒めたい位なんです。
でも、作品全体にその考え方が透徹していない。そこがどうしても一歩引いて評価せざるを得ないところなんですよ。特に前者に関してですね、これは。
卿:
それは物語に、テーマである「普通」という思想が反映されてないってことですか?
もりやん:
されてるんですけど、貫徹されていないんです。あるいは一本のシナリオに関しては初志貫徹されていても、別のシナリオでは忘れ去られていたりする。
まあぶっちゃけ日和シナリオのことなんですが(笑)
卿:
つまり日和シナリオはテーマに沿ってないじゃないかと、そういうことですか!?(なんかわざとらしいオレ
もりやん:
いや、そう思いません?
卿:
いや、ボクはとてもいいシナリオだったと思うよおねーさん(しめしあわせたように人形化 どこがダメなのかなあ?(まだ人形
もりやん:
クソッ。いやね、僕だってシナリオの出来自体は5本の中で一番、断トツでいいと思うんですよ。
ただ、幽霊出てきて、透明で、遊園地いって、コーヒーカップ乗って、ラブジュース*4飲んで、そりゃ普通かよって。
どうにも、先に物語があるっていう印象が拭い去れない。
卿:
先に物語がある、ですか・・・。 実はVFB*5によると日和シナリオが一番最初に出来上がったそうなんですよね。
もりやん:
へえ。それは興味深いな。
卿:
「普通」という価値観と程遠いともりやんさんが主張するそのシナリオがまず出来るってことは、そもそもこの作品における「普通」ってどういうコンセプトなんだよってとこが問題になる気がするんですけど。
もりやん:
うーん。ねこねこソフト内の意思伝達と意見形成の過程はねこ研究者にとっては最大の謎の一つでね(笑)
卿:
研究者(笑)
もりやん:
それはともかく、僕が今思ったのは、日和シナリオだけはシナリオ先行で、他のシナリオはキャラと世界観先行だったんだろうなってことなんですよ。
卿:
なんかすっげーまとまりの無い作り方に見えますねそれ(笑)
もりやん:
でもね、日和シナリオを除けば、他のシナリオにおける物語の筋っていうのは恐ろしく貧弱でしょ。
卿:
そうですね、1プレイの長さの割りにその間の起伏は少ないかも。オレはそれが好きなんですけども。
もりやん:
そう。僕もそれが好きなんですよ。嫌いな人には眠いって言われちゃうところでもあるんですけどね。
以前、卿さんが『120円の冬』に関して仰ってたことなんですが。*6
卿:
ええ。
もりやん:
「日常を切り出して物語として成立させた」みたいなことをどこかで書いてたでしょう。
卿:
ああ、詳しくは葦工房雑記過去ログ参照のこと、と宣伝(笑)
もりやん:
それすごくいいトコ突いてるなーと思ったんですけど、それって日和シナリオには全く当てはまらないじゃないですか。
これだけは、延々と続く日常の一部を切り出したっていう話じゃない。
卿:
確かに、日和シナリオは明らかに過去編の因果に囚われてますよね。起点としてでなく、全体に。
もりやん:
そう。そこが他のシナリオと絶対的に違うところだと思うんですよ。日常が先じゃなくて物語が先。
卿:
なるほど、日和シナリオはテーマ性が日常とは違う、別の物語になってるというわけですか。
もりやん:
そう思いますね。明らかに明確な起承転結があって、スジがありますから。すごく感動したけど、『みずいろ』に求めたものとは少し違ってた。
卿:
うーん、でもこうは考えられませんか?ユーレイライフという非日常ゆえにやがて迎える日常に対する価値が増幅されるってこととか。
もりやん:
うーん、それは本末転倒だと思うなあ。 僕が以前、「ロマンティックなるものへの憧れ」がともさんの作品に共通してるんじゃないかって書きましたよね?*7
卿:
ええ、ありました。
もりやん:
だから、実際今いる世界がロマンティックじゃいけないんですよ。そういう作品は他にもあるんです。
憧れるだけのロマンだから、僕は『120円の冬』が好きで、それを独自の価値観として評価してるんですよ。
卿:
つまり、あくまでも地面から空をみつめる、その地面に立っていることこそが重要だと。空を描いた作品は他にもいくらでもあると。
もりやん:
そうです。そして、実際に物語の中で描かれてるいるのが非日常で、そこから日常を見つめてしまっているのが日和シナリオです。
卿:
なるほど、ゆえにそこには『みずいろ』という作品の革新性が反映されてないと言いたいわけですね。
もりやん:
そうです。面白いのは確かだけれど。

<『みずいろ』における神津麻美ルートの存在価値>

もりやん:
そこで先輩シナリオですよ。
卿:
お、なんだか誘い水のような話題の展開が(笑) ここで先輩シナリオですか。
もりやん:
『みずいろ』において、日和シナリオの対極に位置するのが先輩シナリオでしょう。なんてったって何にも起きない(笑)
卿:
過去編すらないですからね!
この起点が無いってのはとても重要なことかと。
もりやん:
それは単に扱いが悪いだけのような気もするがな!
卿:
言うなぁ!!
もりやん:
まあ冗談(ということにしてくださいマジで)はともかく、そのへんちょっとお聞きしたいですね。
卿:
え、オレに?(振られて焦る漢
なんざんしょ。
もりやん:
基点がないということについて。
卿:
はあ。
や、この作品では過去編があって現代編があるわけで、そういう意味では過去の経験っていうのが各シナリオにおいてかなり重要になるはずじゃないですか。
もりやん:
ええ、そうですね。特にメイン二人はその傾向が強い。
卿:
進藤にしても人格曲がるほどの経験しますしね(笑)
もりやん:
そうそう。幼児体験持ち(笑)
卿:
つまり他のキャラってのはほとんどがトラウマ持ちなわけですよ。
もりやん:
そうですね。清香のトラウマが何かってのを考えるとあのシナリオのクソっぷりも納得できますが、まあそれはいいとして。*8
卿:
そしてそのトラウマに縛られていまも生きてる向きが強い。
もりやん:
なるほど。
卿:
でもね、先輩の場合にはそれが無い。
なぜか。
それは猫だから。
もりやん:
猫か!
卿:
猫なんですよ!たかだか猫捨てられたとかそんな程度のことしか無いんですよ先輩には。
もりやん:
まさに。そんな程度っていうのが先輩シナリオの最大の特徴ですよね。
卿:
そうなんですよね、特に何も無い。ただうどん食ってねこ見つけるだけ。 どうよコレ。
もりやん:
素晴らしいですよね。
卿:
めちゃめちゃ面白いですよね! うどん食ってねこ見つけるだけのシナリオなんて普通書けないですからね。
もりやん:
それが書けるのがねこねこのねこねこたる所以です。
そして、過去に健二に関わる思い出がある他のヒロインではそれはそもそも不可能だと。
卿:
どうしても健二絡みでシナリオが展開しちゃいますもんね。他の作品でもよくあるように。
もりやん:
段々清香シナリオがつまんない理由も明らかになってきたような気がしますが(笑)
確かに。でも、先輩だけは本当にどうでもいいことだけでシナリオを作れるわけですね。
卿:
ただたまたま会って、気になって恋をする、それだけのことですからね。
もりやん:
三角関係とか渡せなかったチョコとか返せなかった指輪とか一切ないと。
卿:
ドラマ要素一切無し!! これを物語にするってすごくね?
もりやん:
すごいですね。真似しようとしても簡単にはできないでしょう。再現もできなそうなのがつらいところですが(笑)
卿:
それは言うな!
もりやん:
ごめん……。
卿:
で、やっぱそれが『みずいろ』で提示された日常性ってもんなんじゃないのかと、先輩シナリオこそ『みずいろ』なのではないくぁと!?
もりやん:
そうですね。全くその通りだと思います。それが、純粋な出来がいい日和シナリオや雪希シナリオではできてないんですよ。
卿:
う、なんかもりやんさんの術中に見事にはめられた気が・・・。
もりやん:
いや?そんなことないですよ?
卿:
アンチみずいろムードになってるじゃないですかぁ(笑)
もりやん:
いやいやいや。この先輩シナリオこそ、他のどのメーカーも未だなしえていない「物語のない物語」じゃないですか。
卿:
そうなんですよねぇ・・・。なんで先輩人気無いんだろ。
もりやん:
地味だからでしょ。
卿:
グサッ!
もりやん:
自分にもグサッ!うあああああ!なんで人気ねえんだよおおおおおお!
卿:
うああああああああああああああああああああああああああん!!
(肩を抱き合って号泣しております。しばらくお待ちください)
卿:
まあ、物語のない物語なんてそら地味になりますわな。
もりやん:
当たり前の話ですよね。そらぁン年間一途にお兄ちゃんを思い続けてる妹のほうが人気も出るわな。
卿:
でも、それなら別に『みずいろ』でなくても・・・ってヤバイヤバイ!これがもりやんさんの罠なんだよオレ!
もりやん:
(ニヤリング)

<他ルートに関して 「普通」ということ>

卿:
まあ、しかし先輩シナリオ礼賛は当然にしても、他のキャラもやっぱり他の作品よりも日常色は強いですよね。ファンタジーは無い。
もりやん:
そうですね。ファンタジーがないのは重要だと思います。 ……だから日和シナリオは(略
卿:
まあまあ、でも日和も狸やらキツネやら「永遠」に行ったりとかは無いし(笑)*9
もりやん:
でも生霊にはなるじゃないですか。
卿:
生霊はアウトですか。
もりやん:
僕としてはアウト。というか、生まれたときから家に地縛霊が憑いててとかだったら逆に問題ないんですけど、日和との「日常」に心霊現象が介入する余地はないですから。
卿:
そんなシナリオは嫌だ(笑)>地爆霊
もりやん:
嫌ですけどね(笑)。でもナシとまでは言えないと思う。まあ、生霊云々よりそれが常ならぬ現象であることが問題だっていうことです。
卿:
なるほど、連続性がないと日常として成立しえないということですね。まあ、それは別にいいですが。
で、100歩譲って日和シナリオは作品的にダメだとしましょう。
もりやん:
あれ?対談じゃなくて討論ムードになりつつある……。
卿:
討論もないと盛り上がらないですし、人形の反乱(笑)
でもストロー2本で缶ジュースとかストロー指輪とかは実にともさんらしい、ロマンスへの憧れ、地に足つけた表現だと思いますがどうか。
もりやん:
そうですね。そのへんは完全にやられました。
卿:
やっぱやられてんじゃないですか(笑)
もりやん:
だから好きだって言ってるでしょう!
卿:
好きだけど嫌いなのかよ!?
もりやん:
好きだけど嫌いなんだよ!
卿:
愛憎入り乱れ、まさにねこへの想い深きがゆえに・・・。
もりやん:
そこがつらいところなのですよ。ほろり。
卿:
まあ、実際確かに日和シナリオのみファンタジー色が強いですけど、そういう肝心のシーンでは日常というテーマ性が仄見えるのは確かですよね。ねこらしさはあるというか。
もりやん:
そうですね。さすがにともさんだと思います。
ところで、『みずいろ』におけるともさんのシナリオとしては、あくまで推測ではありますが冒頭のプロローグに触れておきたいんですが。
卿:
プロローグ、ですか。
もりやん:
具体的に言うと、雪希が家に来て、色々あって手紙出すあたりまで。
卿:
健二と雪希が兄妹になる場面ですね。
もりやん:
そうです。僕は、あそここそ『120円の冬』につながる、「ロマンスへの憧れ」を見事描ききったシーンじゃないかと思ってるんです。
卿:
あの冒頭はともさんだと信じて(笑)
もりやん:
強い心で信じてですね(笑)
卿:
ではあのシーンにおけるロマンスとは具体的にはどういうことでしょう?
もりやん:
健二としては、「母親から手紙が届いて喜ぶ雪希」というのを夢想していたわけです。でも、いざそうなってみると自分は切ない罪悪感を抱いていて、空虚な満足しか得られなかった。
それでも、雪希は自分に懐いてくれて、兄妹の生活は続いていくと。
どうもうまく説明できないんですが、僕はこれに『120円の冬』と非常に近い情感を感じたんですね。
卿:
それはアレですか、主人公はパチンコの光だといま知ったのに、それを少女には伝えないっていうとこですか。
もりやん:
うーん。ちょっと違う気がするなあ。
憧れて、届かなかったけど、それはそれで意味はあるし、その先も続いていくんだ、みたいな。
卿:
ああ、シーン単体というよりは全体を流れる思いの行方みたいな感じですかねえ。
もりやん:
そうですね。
卿:
言われてみると確かに。切ないけれど、それは不幸ではなく、むしろ前を向いて生きるための優しい感情になるっていう。
もりやん:
電気の星と嘘の手紙は、近いものじゃないかと思うんですよ。
卿:
そうですね、そういう気がします。ともさんじゃねえのコレ!?って気が(笑)
もりやん:
そうだと思うんですよねえ。つか、ねこねこにこれが書ける人が他にいるワケがない(笑)
卿:
こういう感情の機微はともさんの真骨頂ですもんね。
もりやん:
で、ですよ。この、届かなくてもいいんだ、っていう態度。普通でいいんだ、盲目でも吃音でも狐でも死病でもなくてもいいんだっていうところにつながると思うんです。*10
卿:
なるほど、特別な要素なんていらないと。
もりやん:
ずいぶん話を戻しますが、そこが『みずいろ』全体として僕らが好きなところじゃないかなと。
卿:
そうですね、この出来レースとしか思えない会話の展開からして(笑)、やはり「普通」こそ『みずいろ』の価値ですね。
もりやん:
こういう「普通」こそ僕らが求めたものだと思うんですが……じゃあ日和シナリオが最初に上がったってなんなんだよ(笑)

<萌えゲー?『みずいろ』の製作意図とは?>

卿:
そこなんですよね、問題は(笑)
結局のところ、「普通」への価値意識が作品制作の過程で当初よりも盛り上がったんじゃないかななんて思ったり。
もちろん最初からコンセプトとしてあるから日和のあのベストシーンとかがあるわけですけれどもね。
もりやん:
うーん、僕が思うにはですね。
多分、少なくともともさんあたりの脳裏には根本的コンセプトとして「普通」っていうのはあったと思うんですよ。だけど、実際企画詰めてて、青写真ができあがってくるとなんともいえずつまらない(笑)
そこで、これは一本キチッとしたシナリオを入れなきゃいけないな、と、前提として考えたんじゃないかと。
卿:
エースを囮にしてるようなものですか?(笑)
もりやん:
だって、先輩シナリオはマグレだったわけで(笑)
あー、そのへんの話はもう一回出しておきましょうか。
卿:
ええ、どうぞ出しちゃってください。
もりやん:
先輩が最初は巫女だったって話(笑)
卿:
ああ・・・言っちゃったよ・・・(笑)
もりやん:
どうしようもないですよね、正直。
卿:
もしそうなってたら最低ですね。
もりやん:
こんな断定しちゃって読む人はわかるのかしら(笑)。そんなん「普通」じゃねえだろ!どうやって日常生活の流れに巫女さんが入ってくるんだか。
卿:
知らない人にわかるように説明すると、VFBによると初期には先輩は巫女キャラになるはずだった、その初期ラフも載ってるぐらいの危うさだったってことですね。
巫女ってめちゃめちゃ安直な属性やん!!
もりやん:
いらん、そんなんいらん。属性じゃなくて位置づけが必要なんだ。
卿:
そうなんですよね。でも初期の初期には義妹、幼馴染、巫女っていうのがあったことを考えると、最初の最初はほんとに「普通のギャルゲ(オレはギャルゲって表現嫌いだけど)」すなわちいまでいうダメ萌えゲーをイメージしてたんじゃないかなあと。
もりやん:
最終的に現行のシナリオが通ったんだからどこかに「普通」を目指す意思はあったんでしょうけど、社内で共通理解ができてたわけじゃなさそうですね。
卿:
でしょうね。そうならなくてホントによかった。とくに先輩は!
もりやん:
そう!特に先輩は!
卿:
結果的に先輩こそが『みずいろ』シナリオに(オレら的に)なったわけなんだから実に綱渡りですよね。
もりやん:
まあ、企画当初は恐らくそんな危なっかしい状況だったはずなわけです。だったら、最初から「普通」だけで勝負しようということは、そもそも考えられなかったんじゃないかと思うんですよ。
卿:
ですね。
もりやん:
これを狙ってキチっとできないところがまたねこねこのねこねこたる所以でして・・・…。
卿:
まあ、あの当時に先輩シナリオを狙って出すのはキツイでしょうねえ、いまでもキツイし(笑)
もりやん:
やっぱりマンパワーの不足なんでしょうね。社内で意思統一ができないというのは。その最たる犠牲者は、実は先輩であったわけで。
卿:
上手く転んだからいいものの(笑) まあ、しかしオレらがねこに求めるのはこのあたりを狙ってキッチリ出すことなので、頑張ってもらいたいところなんですが。
もりやん:
そうですね。しかし、僕ら麻美党にとっては悪夢の出来事が起こってしまったわけですよ。
卿:
やはりあの話には触れなければなりませんか・・・この企画なればこそ。
もりやん:
この企画だからこそ。多分こんなマジ切れしてんの日本中探しても僕ら以外いないと思いますし(笑)
卿:
(爆笑
では、あれを思い返しますか・・・あの、ねこねこFD2の先輩Hを!!
もりやん:
メイドえちぃのことかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!

<『ねこねこファンディスク2』先輩おまけえちぃ その他、愚痴>

もりやん:
もうね、最悪。マジ勘弁。
卿:
最低、ひでえ。
もりやん:
なにあれ。本編ちゃんと読んだの?
卿:
あんな、モチで体買うなんて、そんな荒んだプレイを誰が求めるんだ。*11
あれじゃ恥ずかしい写真で脅迫する陵辱ゲーと変わらん。
もりやん:
雰囲気は違ってもやってることは同じですね。なんで普通にラブラブえっちにしてくれなかったのか。
卿:
いちいちモチなんてキャラ付けしなくても普通に先輩だしてラブエロやりゃあいいじゃねえかこんならあああああああああああああ!!!
もりやん:
そのためのFDえちぃだろうがわかってんのかゴルアああああああああああああああああああああ!!!
卿:
ありえねえ、ありえねえよ・・・ダディャーナザーン!!
もりやん:
オンドゥルルラギッタンディスカー!! ホントそんな気分だったよ!*12
卿:
あれじゃあ、ヤってる健二以外の誰も楽しくないじゃないですか・・・。
もりやん:
見てるほうはひたすら痛々しかったですよ。愛がねえんだよ愛が!
卿:
我々は3年・・・3年待ったのだぞ!!*13
もりやん:
3年待った結果があの陵辱か!フザけんのもいい加減にしやがれ!麻美党を無礼んな!
卿:
先輩なら、そりゃ頼めばなんでもやらしてくれるっつーの!!アナルでも3Pでもやってくれるよ!!でもそれやっちゃいけねえのが先輩だろうがよ!!
もりやん:
どうして製作者なのにその程度のモラル持ってくんないのさ!
卿:
猫捨てられて泣いて電波日記つけてるようなコなんだぜ!?お前が大事にしねえでどうすんだっつーの!!
もりやん:
もう、あの時ばかりはけんちゃんは二次元の彼方に飛び立ってましたよ。てめえに感情移入なんかできるかっつうんだよこの鬼畜!
卿:
愛のカケラも感じられないオマケHなんて初めて見た・・・。
もりやん:
ね。雪希さんのおまけえちぃはその点よくできてるんですが……あれはなあ……。
卿:
つか、この話題はもはや愚痴と罵倒しか出てきませんし、言いたいことは吐いたし、そろそろ別の方向でどうでしょうか(笑) あ、声があった!!*14
もりやん:
ああクソ、忘れてたのに!
誰だよ!
卿:
まあ、声優さんが演技を忘れるのは多忙とかもあるでしょうし、しょうがない側面もありますが・・・
収録するときいたスタッフどうなってんだ!!!
もりやん:
演技指導って確かやるもんですよね?本当にしたんですか?
卿:
多分やってない、スタッフ自体麻美の初期の声忘れてる、どちらかでしょうな・・・。 『みずいろ』やり直せモルァ!!
もりやん:
あれはいくらなんでも別人です。普通に誰かと思ったわ。
卿:
しかもなんかバカ声ですやん・・・。
もりやん:
ね。ちょっとトロいとかそういう感じじゃなくなってるし…。
卿:
NFD1の時点ではまだ同じだったんですけどね。みずいろみんなのうた2になると既に別人に(怒)
もりやん:
肝心のおまけえちぃがあれじゃダメダメだ。認めらんない。
卿:
あれはシャレになってないレベルでしたからね。いいのはCGだけ。
もりやん:
本当に。僕ら何か悪いことしましたか。CGはよかったですけど。*15
卿:
いくらでも謝るからなんとかしてくれ。
もりやん:
本当に。先輩おまけえちぃ部分だけ作り直したNFD2.5とか出たら買うから。マジで。
卿:
新テキストパッチまだー?(チンチーン♪
もりやん:
ボイス訂正パッチまだー?ともあれ、ねこねこに狙って作るだけの能力がないことが赤裸々になってしまった作品でしたね、あれは。
卿:
先輩H担当が先輩シナリオの人であるなら、そういうことになるでしょうな。
もりやん:
別スタッフだってありゃないでしょうよ。少なくとも社内チェック能力には信頼が置けないわけですし。
卿:
まあ、あがってきたテキスト見て、ダメ出しする人がいなかったってのは事実ですよね。
もりやん:
つか、僕はアレを書ける人間を売り物のライターに使う神経がわかりません。って、同じ人だったらある意味墓穴ですけど、本当、ちゃんと考えたらわかることでしょうよ。
卿:
結局、先輩はスタッフに愛されてないってことなんじゃないでしょうかね・・・(遠い目
もりやん:
愛されてない、愛されてないよ……。
卿:
つまるところ先輩シナリオに対する自覚も薄いんかなあ・・・。
もりやん:
そう、自覚ですよね。ともさん以外のライターには自覚が全く足りていない。
卿:
まあ、複数の人数でシナリオを分担するとどうしてもブレってのは出てきてしまいますよね。
もりやん:
いや、作品全体の思想ってのも当然あるんですけど、自分の書いてるシナリオに対する自覚も足りてないんですよ。
卿:
先輩には言えることですね(笑)
もりやん:
例えば進藤シナリオもです。なぜエピローグに恐る恐るメロコアCDを貸すエピソードを入れてくれなかったのか!
卿:
というと?
もりやん:
進藤シナリオのキモっていうのは、やっぱり健二のために本来の自分を曲げた進藤が、元の自分を認めてもらえるところにあるわけじゃないですか。
卿:
むつきでなくさつきを愛したってことですよね。
もりやん:
で、シメの台詞が「元気なのが取り柄なんだからさ。」で、みずいろのリボンを手渡す。これはけっこう感動したんですよ。
卿:
なるほど、さつきのさつきらしい魅力を認める瞬間ですよね。
もりやん:
ところが、エピローグで出てくる進藤は赤いリボンをしていて、まあそれは新規立ち絵が用意できなかったってことで一応納得もできるんですが、進藤の言動になんら変化がなくて、さつきらしさが出る展開も皆無だったのは解せません。
卿:
ああ、だからこそ、さつきのやかまらしい趣味であるメロコアを貸すようなシーンを出せと。
もりやん:
そう。嫌われないかビクビクしながらこそっとメロコアのCDを渡すシーンがあれば、リボンが赤だろうと僕は最大限の賞賛を送りました。
卿:
ほう、つまりおとならしい弱気さを出しつつも、やかまの側面をほのめかすということですな!?
もりやん:
そうですそうです。EDを考えたらそうならないほうがおかしい。
卿:
そうですよね、EDでの一段階上った様子が見えると嬉しいところですよね。
もりやん:
そういう、想像力の自然な発露を見せてくれないんだなあ、これが。非常に残念なことに。
卿:
うん、素人がこんな妄想してるだけってのは実に勿体無い気がします(笑)
もりやん:
ね。面白そうでしょうこの展開。少なくともあのエピローグよりは間違いなく支持を得られると思うし、そんなに手間のかかることでもないはずなんです。
卿:
ちょっとした気遣いというか、センスというか、キャラ萌えへの理解というか。
もりやん:
どうしてここまで作り上げたものを一発で台無しにできるかなーと思うんですが。どういうことなんでしょうねえこれは。
卿:
うーん、まあ、勿体無いのは確かですが、2001年という時代の成熟度とかもあるのかもしれないですね。
もりやん:
いやいやいや、99年にこみっくパーティーが出ていることを忘れてはならんですよ。*16
卿:
まあ、こみパもシンプルな作りですし(笑)
もりやん:
というか、実はわりと近い作りをしてることに今日気付いた(笑)。あれだと、さりげない、でも望みどおりのエピローグを見せてくれるでしょう。ああいうのが見たいんだよなあ。
卿:
確かにこみパはエピローグへの意識っていうのは明確ですよね。
もりやん:
瑞希と同棲とか、ちゃん様と授賞式とか。
卿:
おっと待て、こみパ話はいくらでも盛り上がれますが、本題に戻りましょう(笑)
もりやん:
ですな(笑)
卿:
つまるところ、作品作りの意識って話ですね。どうもともさん担当以外のシナリオはその辺で勿体無いと。
もりやん:
そうです。ほんのちょっとしたことだと思うんですけどね。あって然るべき展開がすっぽり抜けてるんです。
卿:
まあ、過ぎたことはしょうがないとして(笑)、でもNFD2の漫画喫茶とか見るとその辺も次回からはよくなりそうな気もしてきます。
もりやん:
そうですね。あれはよかった。地味極まりない話ですけど、素朴な魅力があった。
卿:
そう、地味というより素朴ですよね。素朴さってのはねこらしさに通ずる美点だと思います。
もりやん:
何してるわけでもないけど面白い。いや、から、なのかな?
卿:
から、ですよね。
もりやん:
それでなぜか物語として成立してしまっているのがねこマジック(笑)。これは今ほとんどのメーカーは逆立ちしても真似できないことですね。
卿:
ねこのレゾンデートル*17といっても過言は無いでしょう。少なくともオレにとってのねこはそこに尽きます。

<『銀色』に見る「普通」思想>

もりやん:
例えば銀色なんか、一見ハードな話に見えますよね。特に二章三章なんか。
卿:
そうですね、ぶっちゃけ大虐殺です。
もりやん:
でも、やっぱり本質的なところは旅商人を襲う「日常」であり、朱い握り飯を食う「日常」だと思うんですよ。
卿:
なるほど、現代性とはまた違う「日常」性というアプローチだと。
もりやん:
一見残酷に見えても、彼らにとってはそれが日常なわけで。少なくとも、銀糸のタイムスケールで見る『銀色』という作品全体からすれば全く大した出来事ではない。
卿:
確かに、一章は他の章と比べても、展開が静的ですよね。
もりやん:
そうそう。「〜日の事。」っていう非常に印象的なフレーズが繰り返し使われますが、これがまさにその本質を示していると思います。人を斬るのも、食べものを奪うのも、彼らにとってはそんな日があったというだけのことにすぎない。
卿:
そこに特別な感情も、事件も、用意されていないわけですね。
もりやん:
そうです。そして、そこに日常性を認めないと、儀助が名無しとともに生きることを望むのも、単なる負け犬の遠吠え、奪われたもののルサンチマン*18になってしまうでしょう。 憧れだったんですよ。あれは。
卿:
「普通」の日常への憧れですか。
もりやん:
うーん、そういう言い方をしてしまっていいものかな。少なくとも彼にとってはそれは夢だったんだと思います。いろんな意味でね。
卿:
そう考えると、一章と二章三章とは随分と趣が違うように感じてきますが。
もりやん:
それが僕の考えです。そして二章三章を評価しない理由でもある。
卿:
二章三章はこの作品らしい、いわゆる悲劇ですよね。ならば一章との違いっていうのは何か意味があるんですかね。
もりやん:
うーん。二章三章はね、『銀色』の物語のギミックを作用させるには必要な話だと思うんです。
卿:
逆に言えば二章三章はギミックに過ぎないと。ならばそのギミックの意図は、一章の存在理由と関係あるんでしょうか。もしくは作品にとっての一章とはってことでもいいですけど。
もりやん:
ぶっちゃけないかな、と僕は思ってます。
卿:
えー。
もりやん:
ちょっと話わき道にそれますね。
この間、とあるレビューサイト*19で見たんですが、銀糸は、人のあるべき可能性を糧として奇跡を起こしている、という解釈なんです。
それは例えば儀助と名無しが畑耕して暮らす生活だったり、狭霧が子供たちと戯れながら二章主人公と仲睦まじく暮らす未来であり、三章主人公と朝菜夕菜と仲良く暮らす可能性であると。
そして、四章で銀糸の誕生の際に込められた「あやめを幸せに」っていう願いが叶えられるときが「全てが還る時」であり、奪われた可能性が還元される時である、という。これは全く考えていなくて感心しました。
卿:
ハッピーエンド解釈ですね、賛成します(笑)
もりやん:
で、これが正解かどうかは知りませんが、少なくとも壮大な銀糸サーガを『銀色』の物語のメインストリームとして考えると、一章から三章は全て等価で、どれも必要ということになると思います。
卿:
なるほど。でももりやんさんにとっては二章三章はギミックだと言うんですよね?
もりやん:
そうです。 だって、こんなのねこねこらしくないじゃない。
卿:
なんか爆笑した(笑)
もりやん:
そうでしょう?『銀色』やって感動したのはそんなところですか?僕は違うよ。
卿:
や、オレは普通にハッピーエンドに感動したんですがね(笑) ではもりやんさんの主張をどうぞ(笑)
もりやん:
じゃ、いきます(笑)
『銀色』における、ねこねこソフト的な、叙情的側面について考えてみましょうよ。
卿:
ねこねこらしさという側面から見た『銀色』ですか。
もりやん:
さっき言いましたが、一章にはねこねこ作品に共通する「ロマンスへの憧れ」が描かれているわけです。
卿:
なるほど、儀助や名無しにとっての、それですね。
もりやん:
で、ここで『錆』ですよ。
卿:
名無しの秘話ともいうべき章ですね。
もりやん:
ロマンスに憧れつつも届かず、あるいは憧れることすら与えられなかった名無しの生を肯定する素晴らしいお話です。どんなに悲惨な「普通」であっても、確かに光っていたんだと。ここにきて、『銀色』における抒情詩が完結するわけです。
その面においては二章三章、そして四章は全く何の役目も果たしていない。そこが一章との致命的な差です。
卿:
もりやんさんにとっては一章、ていうか名無しのみが『銀色』という作品の価値なわけですね(笑)
もりやん:
うん、ぶっちゃけ(笑)
卿:
かなり歪んだ『銀色』観な気もしますが(笑)、さっきの「名無しの生を肯定する」っていうのは具体的にはどういうことでしょう?
もりやん:
一章は、まあ簡単に言えば娼婦が逃げ出して拾われて情が移った山賊がトチ狂ってトチって二人とも死んでしまうという話なわけですが(笑)
卿:
身も蓋もない(笑)
もりやん:
そして、今わの際の名無しの少女が抱いた願いが「生きてた証が欲しい」。そして、証は一本のあやめとして与えられるわけです。
これ、この時点では儀助と一緒に見た思い出の花、という位置づけだと思うんです。この時点ではね。
卿:
そうなりますね。
もりやん:
そして五章『錆』。孤児の姉妹が売春して孕んで産んで結局二人とも死んでしまうという話なわけですが(笑)
卿:
身も蓋も、救いもねえ(笑)
もりやん:
いやいやいや、そこがこの話のすごいところで。地獄の道中、姉妹が目にするあやめの花。姉を失い、自らも体を売って赤子を育て、ついには力尽きた少女が、最期に赤子に与えた名が「あやめ」だったわけですよ。
つまり、「あやめ」は、儀助と名無しの思い出の花であるのみならず、名無しの少女そのものでもある花だったわけです。
卿:
なるほど、だからこそ、名無しの生きた証として最後に一本のあやめが与えられたということですね!?
もりやん:
そうです。名無しはただ「あやめ」であるだけで、確かに光っていたんだと。何一つ与えられない「普通」でもよかったんだと。そういう風に解釈できると思います。
卿:
そうかあ、「あやめ」としてこの世に生きてたんですねえ・・・。
もりやん:
そうそう。「名無し」ではなくね。名前というのは誇りですよ。
卿:
「あやめ」という名前は2人のお母さんが託した、名無しへの思いなんですよねぇ・・・なんか泣けてきた。
名無しなんかじゃない、「あやめ」なんだ、と!
もりやん:
そして同時に、「普通」の幸せというユメではなく、自分の「普通」を肯定されることを望んだ「あやめ」の願いこそが、単なる悲劇と一線を画するねこねこらしいエピソードだと思うんです。
卿:
自分の「普通」とは?
もりやん:
生まれてすぐに親を失って売春宿に拾われて揺さぶられる毎日で抜け出して朱い握り飯食って斬られて死んじゃう、クソ最悪な人生ですよ。
卿:
わたしは、生きてたんだ。そういうことですね!?
もりやん:
そういうことです。やべえ泣けてきた。
卿:
オレも。
(さめざめと泣いておりますのでしばらくお待ちください)
卿:
光ってた?
すげえ、すげえよこのセリフ!!
もりやん:
光ってた……光ってたよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
卿:
いいですねえ、一章。(かなり影響を受けたらしい
もりやん:
いいでしょう。(洗脳に成功して嬉しげ)
卿:
どん底でも、それでも生きることの肯定、まさにこれぞ生命賛歌ですね。
もりやん:
そうです。人間賛歌です。これがねこねこソフトだ。
卿:
なぜなら、日常、それは生きることだから。ねこねこはそれを最も大切にしてるメーカーですね。
もりやん:
そうです、まさにそうです。だから僕は銀糸がどうのとかあんまり真面目に読む気しないんですよ。
卿:
確かに、もりやニズムで解釈すると、一章と錆がかなり浮いてますね、なんか『みずいろ』でも似たような感じでしたが(笑)
もりやん:
つか、もりやニズムって嫌な単語だな(笑)。まあ、大体にして、『銀色』内部で一章〜『錆』で完結してるのがおかしい。僕はコレともさんの暴走だと思いますよ。
卿:
またしても、やっぱり現れるのはともさんだな(笑)
もりやん:
ですな(笑)。ねこねこって限りなくともさんが中心だからなあ。
卿:
そのともさんが『銀色』では作品を飛び越えてしまった、と(笑)
もりやん:
まあ、それはライター間の実力差からして妥当な結果ではあるんですが(笑)。やっぱり一つの作品としては不細工だなあと思いますね。
卿:
確かに、名無し絡みのお話と、作品全体のシナリオの異質性に気づいてしまうと、そう思うかもしれないですね。
もりやん:
『みずいろ』みたいに、パラレルだからって割り切るわけにもいかないですしね。まああっちは性質的にぶつかってるからよりタチ悪いんですが(笑)

<壮大すぎる話はねこねこソフトにはできない?>

卿:
まあまあ(笑)、しかしそう考えると、もし他の章でも一章クラスの感性で制作されてれば、銀糸という縦糸と日常という横糸でさらに面白い作品になったかもしれないとか思いますよね。まとめあげられるかは別として。
もりやん:
うむむ。それはどうかな。これはAVGの特性に関する話なんですが。
ゲームである以上インタラクティブ性があり、自分で動かせるゆえに主人公への感情移入度が高い、というのはほぼ全てのAVGに共通する特徴ですよね。
卿:
そうですね。
もりやん:
ここで、銀糸サーガの壮大すぎるタイムスケールが問題になってくるわけで。幾人もの人間の視点を継いで語られる銀糸サーガは、一個人としては最高に感情移入しづらい題材です。
卿:
映画を意識した作品と作り手が言ってるぐらいですからね。
もりやん:
それは、より俯瞰的に見ることができる映画には適しているかもしれませんが、AVGというメディアには根本的に向いていないと思うんです。
卿:
ええ、全くとして向いてないですね。
もりやん:
だから、普通にミクロな視点で作ったほうが……っつってもこれはどうしたらいいのか思いつかないなあ。
卿:
少なくとも『銀色』はああいう作品である以上、ミクロ視点ってのは難しいでしょうね。
もりやん:
ですよねえ。すさまじく大きい「銀糸」とか「社会」とか「世界」なんかを向こうに回しているゆえの感動ってのもありましたし。
卿:
実際、方法論としては『銀色』はたまたま良かったからいいものの、『朱』になると見事に失敗してますからね。オレのサイトの感想でもその辺は詳しく書いてますが。
もりやん:
だってあれは、銀糸サーガの尻拭いから始まってる話でしょう?そりゃコケるわ(笑)
卿:
世間の評価と違って、銀糸を持ってくること自体には別に不満はないんですけどね。
もりやん:
それくらい細かい話になると、やってない僕は付いてけません(笑)
卿:
まあ、銀糸を持ってきたけど、意味なくね?ってのが失敗だったようです(笑)
もりやん:
うーむ、せっかくだからもうちょい語って欲しいな(笑)
卿:
や、特に語るべきところもないのが困りモノなんですけど(笑) シナリオに関しては、特にないです。マジで。
もりやん:
何にもないんだ(笑)
卿:
いくつかねこらしいシーンがあったってだけで(笑) 特に「日常」的解釈すべき点は無かったですね、オレにとって。
もりやん:
まあ、そりゃそうでしょうね。
卿:
壮大なエンターテイメントをやろうとして、なんか得体の知れないものが出来たって感じですからね。
もりやん:
壮大なエンタメて。いつからねこねこソフトはそんな会社になったんだ(笑)
卿:
眷属がどうのこうのって固有名詞だしてる時点でヤバげでした(笑)
もりやん:
確かに。『銀色』はなにげに専門用語銀糸しかないや(笑)
卿:
そのシンプルさこそねこだと思うんですけどねえ。
もりやん:
ですね。そしてミクロ。ミクロってAVGの題材としては実に優れてますよねえ。
卿:
感情の機微を描いてこそAVGという形態の意味がありますからね。
もりやん:
そか、だから「普通」が面白いんでしょうね。感情移入できるし、感情の機微を描きやすいし。
卿:
ねこというメーカーにとって最も相応しい題材なんですよね。なんかコレばっか言ってるけど。
もりやん:
いや、ソレが一番重要だからでしょう(笑)。そこいくと『120円の冬』はよかった!

<『120円の冬』礼賛>

卿:
ともさん単体で作品作るとこんなに強いぜっていう格好の例ですよね。この作品でねこの「普通」思想への確信が出来ました。
もりやん:
だって、無賃乗車で終点まで行くのが大冒険だもんなあ(笑)。スケールちっちぇえちっちぇえ。
卿:
や、主人公にしてもヒロインににしても、特に何も無いですからね、キャラ付けすらほとんど。
もりやん:
そうそう。こんな無個性なエロゲーキャラがいていいのかってくらい(笑)。
卿:
テーマ性だけで押し切った作品なのに、そのテーマもまた薄いというか小さいというか(笑)
もりやん:
終点まで行けないしね(笑)
卿:
カタルシスなんて一切無い。
もりやん:
それでもなんだか不思議といい気分になってるんですよねえ。まさにねこねこマジックと言うべきか。
卿:
構成的には完璧でしたからね、作品の雰囲気に加えてその上手さは着目すべきとこでしょうね。
もりやん:
そして、やっぱり「ロマンスへの憧れ」の上品さがなあ。なんとも言えず。
卿:
それは本当に何気ない、ちょっと背伸びしたいっていう、それだけの感情なんですよね。
もりやん:
そうですね。それだけに深く共感できる。まさか近視ネタで泣かされることになろうとは思わなかったですよ、本当。
卿:
本来エロゲっていうのはアニメとかの2次元文化に大きく依存してるんですけど、この『120円の冬』は違うんですよね。
もりやん:
そうですね。1.5次創作じゃない。
卿:
ジュブナイル小説的であり、ジュブナイル映画しかも邦画的。感性が実に生々しい。
もりやん:
それでいてエロゲー的なウェットさっていうか、プレイヤーの心情に擦り寄る部分もあって。
卿:
そうなんですよね、切り口は既存のエロゲからかけ離れていながらも帰着するところはエロゲなんですよ。
もりやん:
ぱんちゅもあるしね(笑)
卿:
そこはエロゲ屋らしいサービス精神ですね(笑) しかしここまでともイズムを出し切った作品ってのはこれまで無かったように思います。
もりやん:
そうですね。これはまさにねこねこオリジナル、片岡とも作品と呼べる作品です。
卿:
当然に8800作品では出せないから出来る作品だったと思うわけですが、こういうものを作る感性に触れることが出来たってのは実に喜ばしい(笑)
もりやん:
これを……これを\8800大作でやってくれたら……!
卿:
8800作品にフィードバックできればとんでもないことになりますね。
もりやん:
フィードバックもクソもともさんが一人で全部書いてくれさえすればそんなもん(略
卿:
いやあ、ここまで生の感性を8800のボリュームに作り上げるのはかなり難しいんじゃないですかね。
もりやん:
ですかねえ。しかし、他のライターに任せるよりはなあ……。
卿:
当然にそれはそうですけどね。ただ『120円』はともさんの道楽として続いて欲しい(笑)
もりやん:
『120円の春』は幼女ですか(笑)*20
卿:
どうなんですかね(笑)、とにかくなんかものすごく小さい話になることは間違いないでしょうし、ある意味最も期待できる作品。
もりやん:
なつみ、小雪ときたら……あ、「さくら」じゃん(笑)*21
卿:
バッチリ(笑)
もりやん:
期待age(笑)
卿:
話がそれましたけど、『120円の冬』っていうのはやっぱりこれまでの作品でおぼろげだったものがしっかりと固まった作品な気がします。
もりやん:
そうですね。確固たる価値観を持ってますよね。
卿:
そう、そしてそれは既存のねこ作品の延長線上にあるから安心できます。
もりやん:
さっきも言いましたけど、電気の星と嘘の手紙のつながりですね。確かに、『みずいろ』から『120円の冬』という流れはあるように思えます。
卿:
そこは実に意識的で、意識的でなかったら金返せってなものですね。明確に「普通」思想を作品として意思表明するようになりました。
もりやん:
そして、その形が「星」であり、「切符」であり「相合傘」であるというの非常に好ましいセンスですね。僕大好き。
卿:
素晴らしい、その言葉以外に形容できないのがもどかしいくらいです。
もりやん:
もうね、あの「星」に関してはいくら言葉を尽くしても語りきれませんよ、僕は。
卿:
ありえない、けどあるかもしれない、そんなロマンスですよね。
もりやん:
実際にはただの電飾で、それが星に見えるのは子供だけなんですよね。でも確かに二人で星を見たんだって。
あー、思い出したら涙ぐんできた。
卿:
電飾を「星」だと認識できる、その感性の、ノスタルジー、純朴さ、それは人の美しさにほかならないですよね。
もりやん:
そうそう。ただの見間違いだとか子供のたわごとだとか、切り捨てられない情感がある。
それが、ねこねこソフトらしい人間賛歌なのかなと思いますね。
卿:
単なる人間っていいなでなく、悲劇を見つめ、電飾を見つめ、それでも肯定できるその感性なんですよね。
もりやん:
まさにそうです。本物の星を見られなくても、終着駅に辿り着けなくても、恋も愛も生まれなくてもその旅に意味はあったんだっていうね。 ……すげえいい話じゃんかこれ。
卿:
可能性を否定しないことっていうのは、とても大事なことだと思えてきます。
もりやん:
お、可能性といえばAVGの可能性論じゃないですか。*22
卿:
そこに来ますか(笑) しかしAVGの本質はまさに可能性なんですよね。
もりやん:
そうですね。自分が未来を選ぶ以上は。
卿:
当然に1タイトル内には作り手によって用意された選択肢を選ぶ形態をとりますが、それを選ぶのは自分なわけで。なんなら作品越えて同人でストーリーを作ってもいいわけで。
作られたお話でありながら、未来を選ぶのは自分なんです。
もりやん:
たとえ分岐がなくても自分の意思で終点に向かっていくわけですから、そういうメンタリティはあるのかな……これはちょっと言い過ぎかも(笑)
卿:
いや、正にその通りかと。『120円の冬』は未来をプレイヤーに預けてますから。
もりやん:
そうですね。何も決定されていない状態でお話が終わりますからね。何ヶ月後だかに再会して、前回の自分たちに追いついて、さあどうする、っていうところですから。
卿:
そうです、次の駅で降りるのか、また夜まで行ってまた数ヶ月後に先を行くのかは、誰にもわからないのでなく、誰にでも決められるんです。
もりやん:
何をしてもいいんだ。うわ、すげえ気持ちいい終わり方。
卿:
そうなんですよ。よくある、もったいぶったあとはご想像にっていう終わり方でなく、お話としては完結しながらも可能性は膨らんでる。
もりやん:
おおおおお!なんかちょっと新発見かも。
卿:
ですね!言ってて自分でもビックリ!!
もりやん:
ああ、それで卿さんラストの相合傘が好きだって言ってたんだ。僕はそこまで考えてなかったから信号星一筋でしたよ(笑)
卿:
や、気づいてよ(笑) だってアレから先はともさんが作っちゃダメでしょう。
もりやん:
そうですね。あそこから先はいろんな可能性があって然るべき。
卿:
いくらでもSS作れますよね。
もりやん:
結局あの旅は、その可能性のくびきを除く旅だったんですね。
卿:
そうですね、可能性に目覚めるお話と言えるかもしれない。主人公も、ヒロインも。
もりやん:
二人とも、お互いの存在によって、てのが最高に美しいな(笑)
卿:
すげえ!やっぱすげえ『120円の冬』!!
もりやん:
ともさんすGEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!
卿:
もっともエロゲらしくない作品なのに、エロゲのエロゲたるゆえんである可能性を実現してるなんて。
もりやん:
なんでちっともエロゲらしくないのにエロゲ的な満足を覚え得たのかがようやくわかった(笑)
卿:
こういうことだったんですね、この企画やった甲斐があった(笑)
もりやん:
これをエロゲーテンプレートに添う形で実現できたら、そりゃあスゴいもんができそうですね。ほとんど夢物語だけど。
卿:
夢ですねぃ・・・(笑) まあ、それでも、ともさんは次回作でシナリオを書くわけですから、さらなる一手を見ることができるわけですよ。
もりやん:
どうかなあ。僕はやっぱり「120円の冬マグレ説」が頭から離れないんですが(笑)
卿:
いやいや、『みずいろ』から『120円の冬』という時系列で思想自体は固まってきてるんですから。
出来に反映されるかはまた別ですけども(笑)
もりやん:
いやいやいやいや、そこはホレ、ねこねこさんですから(笑)。好感度最高信頼度最低のメーカー(笑)
卿:
うわあ(笑)
もりやん:
まあ最低は言い過ぎとしても、出来が読めませんからねえ。いつも戦々恐々ですよ。
卿:
や、確かに空振りも目立ちますけど、ホームランが場外飛ばすんですから。
もりやん:
でもそれもポール際なんだよなあ(笑)
卿:
言うな(笑)

<新作『ラムネ』>

卿:
まあ、ここで新作『ラムネ』ですよ。
もりやん:
ラムネですよ!どーだそのネーミング!(笑)
卿:
なんか、語感、字面ともにすっぽぬけた感はありますね。でもOHPのタイトル用CG見ると、他の夏の風物詩とともに並べられてて、それを見ると、悪くない。
もりやん:
うーん、うーーーーーーーーーーーん。確かにあれはちょっと心惹かれるものがないではなかったけれど。
ただね、夏における「日常」の表現として、あまりにステレオタイプすぎやしないかって気がするんですよ。
卿:
いやいや、ねこがひねったらダメですよ。
もりやん:
いやいやいやいや、ひとひねりがなきゃねこじゃないです。
卿:
ひとひねりは、いま出さないでしょう(笑) 掴みはアレでいいんです。
もりやん:
うーん、うーん、でもね、僕あれで感情移入できるか微妙な気がするんですよ。
卿:
や、オレはバリバリ期待しちゃってますよ?
もりやん:
エロゲーの舞台として地方都市が選ばれやすいのは、なんだか適度なノスタルジーを呼びやすいからだって説をなんかの雑誌で読んだんですけどね?
『みずいろ』とか、『Kanon』以降の純愛系はほとんどそうですよね。で、一部本物の田舎を舞台にしてるのもあって、これは『夏少女』とかですけど。
その場合は、それはホームっつうかユートピアで、懐かしさより憧れが先に立つんじゃないかなー、とか思ったり……。
もちろん主人公が田舎の人だったら話は別ですけど、そんなんないでしょ。感情移入できないからですよ。
卿:
うーん、オレはノスタルジー説もユートピア説もとらないですから。もっと、ぼんやりとした異世界感なんじゃないかなあと。
もりやん:
なんつうかなあ。舞台としてあまりにキレイすぎる、という印象があるんですよ。
卿:
ぶっちゃけ自分の住んでる街が舞台でないならなんでもいいんだと思いますよ、エロゲの舞台なんて。それにキレイすぎるっても、『みずいろ』だって実際の風景を背景に使ってるわけですし。
もりやん:
いやね、つまりこれは「ひと夏の体験」パターンじゃないかと。*23
ジュブナイルでは基本中の基本となるパターンですけど、これだと物語全体が非日常化しますよね。そして、物語が終われば元の日常に戻るという。それはねこねこの「普通」にはそぐわない気がするんですよ。
卿:
うーん、それを言ったら『120円の冬』だって電車ですし。電車から降りると閑散とした夜の駅ですし。
なんていうか、舞台というよりは、感性としての「普通」に期待してますオレは。
もりやん:
つまり、『120円の冬』を冬休みに計画立ててやってたらどうなったかって話で。そういう話が出てきそうな雰囲気を感じてるんですよ。
卿:
ああ、なるほどー。 しかし、まあ、『120円の冬』だってぶっちゃけとっつきは良くないですからね(笑)
もりやん:
地味だしなあ(笑)
卿:
ここはともさんの手腕を信じるしかないんじゃないですかね(笑)
もりやん:
まあ、発売前どころかロクに情報も出てないんだから当然そうなんですがっ! 怖え!
卿:
でも、フレーズに対するセンスはいいと思うんですけどねえ。特に「夕立 ラムネ」っていう並びなんて。
もりやん:
うん、ちょっとキュンとした(笑)
卿:
雨上がりのアスファルトの匂い があれば言うこと無しですが!
もりやん:
それは狙いすぎです(笑)
卿:
狙いすぎか(笑)
まあ、そういうわけで、いま出てる情報としては、このフレーズしかないわけで。このセンスなら、ちゃんとこれまでの延長上にあるんじゃないかなあと。
もりやん:
“これから何かが起こりそうなドキドキ感”、なあ……。
卿:
しかも大したことが起きそうにないじゃないですか(笑)、それがいい。
もりやん:
素直にそう解釈するべきですかねえ。大したことが起きそうにないのはいい(笑)
卿:
ここは素直にともさんファンとして期待しておきましょう(笑)
もりやん:
ファンゆえに、ファンゆえに不安に苛まれるのだよ!
卿:
信じるんだ!強い心で!
もりやん:
強い心で!

<終了>

もりやん:
じゃあそんなところで、ねこねこソフトの次回作に全身全霊で期待しつつ今日の対談を終わりにしましょうか(笑)
卿:
そうですね。かなり言いたいことは吐き出せた気もしますし(笑)
もりやん:
うん、多分もう絞っても出ない(笑)
卿:
(爆笑
まあ、つまるところ、我々は麻美党である。そういうことでいいですかね?
もりやん:
ジークあさみん!
卿:
ジーク先輩!
もりやん:
麻美党結党宣言を出しつつ、お疲れ様でした。
卿:
お疲れ様でした。
(注釈:もりやん)
*1 こんなん。
*2 アリスソフト制作、地域制圧型シミュレーションゲーム。陵辱色が強い。僕の日頃のプレイ傾向からすると確かに意外かも。
*3 ねこねこソフトの前身は、Key系で活躍していた同人サークルである。
*4 ここではストロー2本差したジュースのこと。愛液ではない。
*5 ビジュアルファンブック。みずいろVFBには清香の母親のボイス化パッチが同梱されている。
*6 葦工房雑記過去ログ2004年3月10日参照
*7 猫拳日記過去ログ2004年1月14日参照
*8 過去編がある他の3人と比べてみて欲しい。そして、本編終盤のしょんぼり具合を考えると、色々と納得できることもあろう。
*9 狸?言わずもがな、『Kanon』『ONE』のこと。
*10 しつこいが、『ONE』『Kanon』のこと。どうしてここまでこだわるのかわからない方は一度プレイして見ることをお勧めする。まあ面白いし。
*11 実際、その場の雰囲気はほのぼのしたものだったんですが……。
*12 アンタドゥーレハ!と続く。わからない人はオンドゥル語とかでググるべし。
*13 『みずいろ』が発売された2001年4月13日から、2003年12月12日に『ねこねこファンディスク2』が発売されるまでの約2年と8ヶ月、麻美メインのおまけ作品はいかなる形態でも発表されていない。まあ、『ねこクリスマス』収録のボイスドラマでは主役といえなくもないが、エロゲーキャラとしてえっちがないのはどうよ。他の4人はあるのに。
*14 FDでの某ちびくまさんの演技に違和感を覚えた方はかなり多いのではなかろうか。元々演技力が高いだけに、忘れてしまうと大変だったようである。
*15 なんだかんだ言って二人とも絵は大好きなのである。それだけにあの(略)
*16 2000年以降のエロゲーの多くは、程度の差はあれLeaf・Key作品の影響が見受けられる。が、中でもねこねこソフトのそれは露骨。それも某表から入ると裏から出てくる会社のように一発ではないのだ。
*17 本来の用途はどうだか知らんが、ここでは存在価値というくらいの意味であろう。
*18 怨恨感情。+2/+0トランプル、破壊されても戻ってくるのである。
*19 こちら。
*20 ねこねこソフトHPで連載中の4コマ漫画『諸葛瑾』の第66回にそういうネタがあった。次回のおかえしCDに収録されるはずなので、見逃した方は早めのファンクラブ登録をお勧めする。ちなみに、切手代以外はかからない。
*21 恐らく『諸葛瑾』第77回だったと思うが、alt文で名前が発表された。あ、再放送始まりましたね。封印解除レリーズ
*22 葦工房雑記過去ログ2004年3月6日参照
*23 入試で出てくるような、おっさん小説家の自伝的小説のイメージ。
『120円の冬』も、ノリ的にはかなりそれに近い気がするのだが……。
もりやん(猫拳:Cat Fist
卿(葦工房